働き方改革は、どの業界でも重要です。教員も例外ではありません。教員不足の問題などがニュースで取り上げられる中、教員の働き方改革を進めていくことは急務といえます。
教員の働き方改革は、国や自治体で組織的に進めていくべき課題も多いのですが、個人で取り組めることも意外とたくさんあります。この記事では、教員が個人で明日からできる取組について具体例を紹介していきます。
教員の働き方改革を進めるための考え方
具体的な取り組みについて紹介する前に、教員の働き方改革を進めるための考え方を身につける事が大切です。
教員の仕事には「終わりがない」ことを自覚する
まず、教員の仕事には「終わりがない」ことを自覚することが大切です。
子どもの出欠席処理や会計業務などやることが明確な業務もある一方、学級の活動や授業準備など、ここまでやれば良いというラインが明確ではない業務も多いです。
例えば授業準備は、
- 「教科書のどの内容を扱うか」から始まり
- 導入で興味を引くためのパワポ資料や具体物を用意し、
- 学習効果を高めるためのワークシートを作成して印刷し、
- 黒板に示すための掲示物を用意し、
- 練習問題のプリントを用意して…
など、自分で「ここまで」と割り切らない限り、続けようと思えば永遠に続けられてしまうこともあります。
そしてそれは、「子どもたちのため」という名目で行われ、時間をかければかけるほど良い授業ができるという錯覚を生みます。しかし、実際にはそうではありません。
「時間をかける=子どものためになる」ではない
私自身、一つ一つの授業準備に長い時間をかけ、そのこと自体に「子どものために頑張った!」と満足感を感じることもかつてはありました。
だから、単に時間をかけるのではなく、本質的に授業構成を考えていく必要があると考えるようになりました。その結果行き着いたのが、以下の記事で紹介している授業づくりです。
この考え方になってからは、授業準備にかける時間は短くなりましたが、授業での子どもの思考場面はむしろ高まったように感じます。必要に応じて時間をかけて授業準備することも大切ですが日常の授業では、本質的な授業構成を考えることで、授業準備を短時間にすることが大切でしょう。
このことは以下のnote記事でも書いています。
「自己満足仕事」を自覚し、無くす
「子どものために、これだけやってあげた」
という自己満足仕事を自覚し無くしていくべきだと強く思います。具体的には、
- 毎週出すと自分ルールで決めた「学級通信」
- 市販のもので代用可能にもかかわらず作成する、自作の問題プリント
- 目的が明確でないのに過度にこだわる教室の掲示物作成
などが考えられます。
自己満足仕事を自覚して無くすためには、目的や意図を明確にする必要があります。そのため日頃から活動の目的や意図を考えるようになり、教育の質向上にもつながると考えられます。
教員が個人でできる業務改善の具体例7選
ここからは、明日からすぐにできる具体的な取り組み例を紹介していきます。
「タスク管理」で仕事に優先順位をつける
「タスク管理」で仕事に優先順位をつけましょう
私は、毎朝その日にやる仕事をリストにして、優先順位をつけてから仕事をするようにしています。いわゆる「タスク管理」です。
無計画のまま業務を行うと、あれもこれもと欲張ってしまいがちです。リストにすることで優先すべき仕事が明確になり、無駄なく仕事を進めることができます。
学級通信などの「お便り」は必要な情報だけ載せる
学級通信などの「お便り」は、家庭に子どもたちの様子を知らせるための手段です。伝えるべきときには、時として熱い思いを長文で伝えることも必要なのかもしれません。ですが、基本的には必要なときに必要な情報だけ連絡すれば十分でしょう。
- 下校時刻は何時なのか
- 持ち物は?
- お弁当の日はいつ?
など、親が知りたい情報だけで十分です。たまに、「どうしよう!今週は学級通信に載せることがない!」などという声が職員室内から聞こえてきますが…だったら出す必要は無いでしょう。定期的に出さなければいけないなんてことはありません。
「絶対に毎週出す」とか「写真を必ず何枚使う」など、自分ルールを作って熱心に学級通信を作る教員が割と多い気がするのですが、あえて誤解を恐れずに言えばそれは「自己満足」です。
それを否定する気はありませんが、それをやっているにもかかわらず「忙しくて早く帰れない」と嘆くのはおかしいと思います。
必要なときに必要な情報だけ連絡するようにしましょう。
丸つけと直しを子どもが自分でやるようにする
私は、宿題などの「丸つけ」や「直し」を子どもが自分でやるよう指導しています。それについては以下の記事で詳しく書いていますので、よければお読みください。
これは、あくまで子どもの「学ぶ力」をつけるために行っていることで、働き方改革のために始めた訳ではないのですが、結果として業務の削減にもなっています。まさに一石二鳥なので、とてもオススメです。
テストは子どもの目の前で採点してアドバイス
テストを子どもの目の前で採点してアドバイスすることをおすすめします。
最近私は、「一人ずつ呼んでその子の目の前でテストを採点し、間違えた原因やアドバイスなどを伝えて返却する」ということを行っています。

一人一人に丁寧に向き合ってアドバイスすることで、どこをどのように間違えたのか、を子どもが理解する場となっています。また、採点を授業時間内に行うことになるので、結果として業務削減になります。
待っている子の待ち時間が長くなることや時数確保などが課題ですが、問題演習の時間などをこれに当てるなどすれば可能です。
クラスの話し合いの内容は、授業時間内にPC入力
学習発表会の発表原稿(セリフ)の作成なども、教員にとって負担な業務の一つです。とはいえ、子どものためだから手は抜きたくない…そうして時間は過ぎていきます。しかし、はたしてそれは子どもの力になっているでしょうか?

私は「クラスの話し合いの内容は、授業時間内にPC入力する」ようにしています。発表内容やセリフをクラスで話し合い、その内容をその場でPCに入力してTVやスクリーンなどで板書代わりにします。話し合いが終わる頃には、発表内容やセリフについての資料が完成しています。子どもたちで話し合った内容をもとに、教員が発表資料作成することはよくあることですが、話し合いの内容をリアルタイムで入力すれば授業外で教員が作業する必要はなくなります。むしろこのやり方の方が、子どもたちの「自分たちで決めている」という意識が高まるのではないでしょうか?
これも、働き方改革のためにやったわけではありませんが、結果として業務の削減になっている取り組みです。
会議資料は、デザインにこだわらずシンプルに
私は、校内会議向けの資料では「フォントや挿入するイラストなどにこだわらない」ようにしています。会議の資料は、
- 提案内容
- 目的
- 検討事項
これだけで十分です。
また、会議で提案する内容などがある場合には、目的を明確にした上で「60点くらいの完成度のものを早く出す」ことを意識しています。会議で細かい点について意見をもらい、最終的にはそれを集約して完成させればよいのです。
職員会議は「完成させた資料の発表会」ではありませんから、100点の資料を1つより、60点の資料を2つ準備する方が、効果的な時間の使い方だと思いますがいかがでしょうか?
決めた時間に思い切って退勤

最後は、退勤時間をあらかじめ自分で決め、時間になったら仕事が終わっていなくても思い切って退勤してしまうのも一つの手です。
一番はじめに紹介した「タスク管理」ができていれば、優先順位の高い仕事はすでに終わっているはずです。であれば、思い切って退勤してしまいましょう。
まとめ
ここまで、個人で明日から取り組める働き方改革の具体的取り組みについて書いてきました。どれも私自身が実践し、効果を感じているものを紹介しましたので、お読みいただいた皆さんにも是非やってみてほしいなと思います。
学校現場の働き方を変えていくにあたり、個人ではどうにもならない問題も確かにあります。ですが、個人でもすぐに取り組める「働き方改革」も確実にあります。一緒に、まずはできることから始めてみませんか?
最後までお読みいただきありがとうございました。




