なぜ宿題の丸つけを親がやるの?
と、疑問に思ったことはありませんか?
- 毎日の丸つけが負担
- なぜやるのか?
- 丸つけをすることがストレス
このように、子どもの宿題の丸つけをすることについて、悩みや疑問をもつ方は多いのかもしれません。
そこでこの記事では、保護者の方に向けて、
- 親が丸つけするメリット(なぜ親に頼むのか?)
- 保護者がストレスや負担なく子どもの学習にかかわる方法
について書いていきます。
そもそも宿題の丸つけを親がやる必要はあるのか?
そもそも、宿題の丸つけを親がやる必要があるのか?という点について考えていきます。
私はこれまで、10年以上学習塾や小中学校での指導にあたっていますが、宿題の丸つけを親に頼んだことは1度もありません。その理由については、以下の記事で詳しく書いていますので、もしよければお読みください。
上の記事でも書いているように、私は子どもが自分で丸つけをすることが大切だと思っています。
私は、親が丸つけすること自体を否定しているわけではありませんが、必ずしも親が丸つけをする必要はないというのが私の立場です。
ただ、宿題の丸つけを親がすることのメリットも理解しているつもりです。教員がなぜ丸つけを親に頼むのかという理由にもつながりますので、まずはそれを理解した上でかかわり方を考えていきましょう。
宿題の丸つけを親がすることのメリット
親が子どもの学習にかかわることで基礎学力が高まる
1つ目のメリットは、「親が子どもの学習にかかわることで基礎学力が高まる」ことです。
これは正直感覚的なものなのですが、
親が子どもの学習(宿題)にていねいにかかわっている家庭の子どもは、その他に比べて基礎学力が高い場合が多い
という感覚はこれまでの経験上あります。詳しくデータなどで収集していませんのであくまで感覚ですが、私の周りの多くの教員も実感していることです。親が宿題の丸つけをすることで、親が子どもの学習にかかわることで基礎学力が高まるという点がメリットといえます。
親が子どもの習熟度を把握できる
2つ目のメリットは、「親が子どもの習熟度を把握できる」ということです。日常的に丸つけをすることで、
- 子どもがどこを間違えたのか?
- どのように間違えたのか?
- 何が得意で、何が苦手なのか?
を保護者が把握することができます。これもメリットといえるでしょう。
子どもがズルして答えをうつしてしまうことを確実に防ぐ
3つ目のメリットは、「子どもがズルして答えをうつしてしまうことを防ぐ」ということです。
これについてはやや消極的な理由ですが、答えをただ丸写ししてしまうことに比べれば子どものためになるかもしれません。
親が答えを預かっていれば子どもが答えをうつしてしまうことはありません。子どもが自分の力で問題を解くための、ある意味確実な方法といえるでしょう。
保護者が負担なく学習にかかわる方法
ここまで、保護者が丸つけするメリットについて書いてきました。
しかし、保護者にも都合はありますし、子どもの学習へのかかわり方や考え方は様々でしょう。また、毎日の丸つけに負担を感じている保護者の方は多いと思います。
ここからは親が丸つけをしなければいけない場合でも、保護者が負担なく学習にかかわる方法について考えていきましょう。
ただ楽をするというよりは、どうすれば負担を最小限に抑えつつ、子どものためになるかという視点で考えていくことが大切です。
リビングなど親の目の届くところで宿題をするようにする
上でも述べた通り、保護者の方が子どもの家庭学習に関わっていくことで基礎学力定着につながると、私は感覚的に感じています。特に小学校低学年では顕著です。
子どもは一人だけで長い時間集中することはなかなか難しいので、近くに見守ってくれる人がいるだけで勉強に集中しやすくなるのです。大好きなお母さんやお父さんが近くで見てくれているのなら、なおさら子どもはやる気になるでしょう。
その環境を作るためには、リビングなどの親の目の届くところで宿題をするようにするだけで良いです。やりなさいと圧をかけるでもなく、直接勉強を教える訳でなく、そこに保護者がいるだけで子どもが頑張って学習する環境が整うのです。
親は自分の作業をしながら、自然に様子を見守ってあげるだけで十分です。パソコンで仕事をしたり、夕飯の準備をしたり、近くで読書なども良いかもしれません。
子どもが自分で丸つけと直しをするようにする
子どもが問題を解き終わったら、答えを子どもに渡して子どもが自分で丸つけと直しをするようにしましょう。詳しいやり方は、以下の記事を参考にしてください。記事の通りに教えれば、必ずできるようになります。
はじめは難しく感じるかもしれませんが、これまでの私の経験上、小学校低学年から中学生まで幅広い学年に対応できるやり方です。子どもが自分で丸つけと直しを行う事で、
- 子どもに「自分で考える力」が身につく
- どこを間違えたのか考える「思考力」が身につく
- 一人でも学習を進められる「学び方」が身につく
- 丸つけをする親の負担が減り、お互いにイライラしないですむ
など、様々な効果があります。
子どもが丸つけしたものを、親が確認してサインする
ここからが親の出番です。すでに丸つけは済んでいますが、子どもは丸つけそのものを間違えてしまっていることもありますので親がしっかりと確認してあげましょう。
確認するとはいえ、はじめから親が丸つけするよりかなりの負担軽減になります。
大切なのは結果ではなくプロセスを認め励ますこと
確認が終わったら、問題を頑張って解いたこととしっかり丸つけできたことの2つに対して、親のサインをしてあげます。◯やはなまる、コメントなども子どもが喜ぶと思います。
大切なのは、正答数などの「結果」ではなく、勉強のプロセスを認めてあげることです。
宿題をはじめてから丸つけして持ってくるまでを見守っていて、子どもが頑張っていたなと感じる姿だったなら、全問不正解だったとしてもきちんと認めてあげましょう。
逆に全問正解でも、だらけながら必要以上にのんびり取り組んでいた時などには、具体的にどこが改善できそうかを伝え、励ますことが大切でしょう。
様々な考え方を理解した上で各家庭のやり方を決めることが大切
ここまで「宿題の丸つけを保護者に頼む教員側の目的(理由)」や「保護者が負担なく学習にかかわる方法」について書いてきましたが、最終的には各家庭で状況や考え方に合わせてやり方を決めることが大切です。例えば、
- 親が丸つけする目的に共感したから、これまでと変わらず丸つけは親がやる
- 丸つけを親がやったり、子どもが自分でやったりするのは日によって変える
- 宿題は学童クラブなどの先生にお願いする
- すべて子どもにまかせる
など、さまざまなやり方があって良いと思います。それぞれの家庭の事情や子どもの特性などをふまえて判断するべきでしょう。
だからこそ、様々な考え方の理解は重要です。その上で、各家庭でやり方を決めていくことが、結果として子どものためになるのではないでしょうか。
これが、私が「必ず親が丸つけするように頼む」ことに反対している理由です。
まとめ
宿題については、学校、教員個人、親、そして子どもたち自身など、立場によって様々な捉え方、考え方があると思います。この記事をきっかけに、それぞれの立場から考えを深めてくだされば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。