小学校2種免許を1種に!教員の上位免許取得に必要な単位数等を解説

教員採用試験や教員免許

私は、「小学校教員資格認定試験」に合格して小学校免許を取得しました。そのため、小学校教員免許状は「2種免許状」です。

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そんな私は現在、小学校2種免許状をもとにして小学校1種免許状を取得中です。このような「教員免許の上位免許取得」については根拠規定等が複雑で、私自身どのくらいの単位数が必要なのかなどわからないことが多くて苦労しました。

そこでこの記事では、小学校教員2種免許状から1種に上位免許取得することを目指している方に向けて、必要な単位数申請方法などについて解説していきます。

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そもそも小学校2種免許を1種にする必要はあるの?

そもそも、小学校2種免許から1種免許にする必要はあるのでしょうか?

基本的に通常通りに勤務している場合には、1種免許状が必要になることはありません。1種免許状を取得したからといって、給与が上がるわけでも昇進などで有利になるわけでもありません。

では、なぜ私が1種免許の習得を目指しているかというと、教職大学院への進学を検討しているからです。教職大学院の進学にあたっては、「取得を目指す専修免許状についての1種免許状を修得していること」という条件があります。

私はすでに中学高校の1種免許状は取得していますが、大学院では小学校の専修免許状の取得を目指しています。そのため、小学校1種免許状が必要となるのです。

また、大学院の進学を考えていなくても、自己研修の一環として取得するという場合もあります。

上位免許取得の基本条件(在職年数と単位取得)

まずは、上位免許取得の基本条件を確認しましょう。

「教育職員免許法 別表3」には、すでに取得済みの免許状をもとに上位免許を取得する場合の、「最低在職年数」と「大学で履修すべき最低取得単位数」が記載されています。それによれば、小学校2種免許状をもとにして小学校1種免許状を取得する場合、

  • 小学校での勤務年数が最低5年必要
  • 小学校2種免許状取得後に、大学で45単位以上修得

することが必要です。

また、「教育職員免許状施行規則 11条」には、各教員免許状を取得するのに必要な単位と科目について記載されています。それによると、小学校1種免許状を取得するのに必要な科目と単位数は、

  • 『教科に関する専門的事項に関する科目』…4単位以上
  • 『各教科の指導法に関する科目又は教諭の教育の基礎的理解に関する科目等』…21単位以上
  • 『大学が独自に設定する科目』…5単位以上
  • 上記3つを含めて45単位以上

であることが記載されています。ここまでが、免許取得に必要な基本的な部分です。

個々のケースによって必要単位数等が異なる

ここまではあくまで「上位免許取得の基本条件」です。

しかし、条件によって必ずしも上記の単位数全てを修得する必要はありませんし、5年間の勤務経験がいらなくなるケースもあります。大学時に修得した単位数や、小学校教員としての勤務経験年数によって修得単位や勤務年数が加算される場合があるためです。

ここからは個々のケースに応じて、個別に確認していきましょう。個々のケースによって異なるので、ご自身がどれに当てはまるか確認しながらお読みください。

大学の在学年数が3年以上の場合

教育職員免許状施行規則 12条 には、以下の通り最低在職年数の通算について記載があります。

第十一条第一項の表備考第三号又は第四号に規定する者の免許法別表第三の第三欄に定める最低在職年数の通算については、その者の大学又は旧国立養護教諭養成所における在学年数が三年以上である場合は在職年数二年とみなして取り扱うことができる。第十七条第一項の表備考に規定する者の免許法別表第六の第三欄に定める最低在職年数の通算についても、同様とする。

教育職員免許状施行規則 12条

大学に3年以上在籍していた場合には、実際の小学校での勤務年数に2年をプラスできるということになります。つまり、小学校教員としての経験が3年でも1種免許状を習得できるということです。

大学に3年以上在学かつ93単位以上を修得している場合

教育職員免許状施行規則11条の備考3には以下のような記載があります。

三 幼稚園、小学校、中学校又は高等学校の教諭の一種免許状の授与を受けようとする者が大学に三年以上在学し、かつ、九十三単位以上を修得したもの又は大学に二年以上及び大学の専攻科に一年以上在学し、かつ、九十三単位以上を修得したものであるときは、その者は、次に掲げる免許状の授与を受ける場合に応じ、この表の当該一種免許状の項の第三欄に掲げる最低修得単位数のうち、第二欄に掲げる科目の単位数を修得したものとみなして、この表を適用する。

中略

ロ 小学校教諭の一種免許状 教科に関する専門的事項に関する科目二単位及び各教科の指導法に関する科目又は教諭の教育の基礎的理解に関する科目等八単位を含めて二十単位

教育職員免許状施行規則11条 備考3

つまり、大学に3年以上在学して93単位以上を修得している場合には、20単位を修得したこととみなします。

  • 『教科に関する専門的事項に関する科目』…2単位以上
  • 『各教科の指導法に関する科目又は教諭の教育の基礎的理解に関する科目等』…13単位
  • 『大学が独自に設定する科目』…5単位
  • 上記3つを含めて25単位以上

で良いということになります。

小学校教員としての在職年数が5年を越える場合

教育職員免許法 別表3の備考7 には、以下のような記載があります。

七 この表の規定により一種免許状又は二種免許状の授与を受けようとする者(小学校教諭の特別免許状を有する者でこの表の規定により小学校教諭の一種免許状の授与を受けようとするものを除く。)について、第三欄に定める最低在職年数を超える在職年数があるときは、五単位にその超える在職年数を乗じて得た単位数(第四欄に定める最低単位数から十単位を控除した単位数を限度とする。)を当該最低単位数から差し引くものとする。この場合における最低在職年数を超える在職年数には、文部科学省令で定める教育の職における在職年数を通算することができる(別表第六及び別表第六の二の場合においても同様とする。)。

つまり、

5✖️(在職年数➖5年)

だけ、必要単位数から引けるということになります。具体的には、小学校での勤務経験が10年以上あれば、10単位の修得だけで良いということになります。

10単位だけで良い場合の必要単位数の内訳

教育職員免許法施行規則13条には以下の記載があります。

第十三条 免許法別表第三の規定により一種免許状又は二種免許状の授与を受けようとする者が、同表備考第七号の規定により十単位の修得をもつて足りる場合における単位の修得方法は、次の表の定めるところによる。

教育職員免許法施行規則13条

その表によると、10単位の修得のみで良い場合の単位の修得方法については、

  • 『教科に関する専門的事項に関する科目』…1単位
  • 『各教科の指導法に関する科目又は教諭の教育の基礎的理解に関する科目等』…7単位 ※
  • 『大学が独自に設定する科目』…1単位

※については、教育職員免許法施行規則5条に基づき、必ず1単位以上の「教科の指導法」を取得することと定められています。

申請方法

免許状取得に際し、上記の単位数を修得した後は、都道府県教育委員会に申請します。単位取得し終えたら書類一式をそろえ、在籍している学校を経由して申請書を郵送することになります。

書類は各都道府県ごとに異なりますので、ご自分の所属する都道府県等の教育委員会のホームページをご確認ください。

放送大学で単位を履修する場合の注意点

私は、修得すべき単位の一部を放送大学で修得したのですが、科目履修にあたって都道府県教育委員会に事前に確認するように放送大学から指示がありました。私の所属する都道府県では問題ありませんでしたが、ダメな自治体もあるのかもしれません。いずれにしても確認は必要だと思います。

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。必要な単位数などは根拠規定に基づいてみていかなければならないため、大変複雑です。最終的には、都道府県教育委員会等にお問い合せの上、間違いのないように習得していただければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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