
小学1年生の子どもが「時計」を読めなくて困っています。

小学1年生に「時計の読み方」を定着させることがなかなかできない…。
そんな悩みを聞くことがあります。
「時計」を読むことは、日常生活でも必要な大切な力です。大人であれば、当たり前にできることでしょう。
しかし、時計を初めて学ぶ小学1年生にとってはかなり難しいことなのです。つまずくポイントを大人がしっかりと理解した上で教えてあげることが大切です。
そこでこの記事では、主に小学1年生の保護者の方に向けて、算数で学習する「時計の読み方」で子どもがつまずくポイントと教え方について書いていきます。教員の方にもおすすめです。
「時計の読み方」をいつ学習するのか?
まずは、「時計の読み方」をいつ学習するのかを確認しておきましょう。
まず、1年生の早い段階で、「何時ちょうど」と「何時半」について学習します。時計は日常で使うものなので、早い段階で学習しておくことで日常生活との結びつきを実感しやすくするねらいがあります。

なぜその時に「何時何分」まで学習しないかというと、分を理解するためには1から59までの数字を知っている必要があるからです。
小学生が50以上の大きな数を学習するのは、学年の後半になってからです。教科書通りの進度だと、1月後半から2月位です。
「100までの数」を学んだ後で、ようやく時計の細かい読みを学習できる段階になります。そのため、「何時何分」の学習を行うのは1年生の2月位です。
個人的には、もっと早い段階から時計に触れて日常的に慣れていく方が良いのではないかとも感じていますが、学習指導要領や教科書上では、100までの数字を学習してから、この時期に扱うことになっています。
小学1年生の子どもが「時計」でつまずくポイントと教え方
小学1年生の子どもが「時計」でつまずくポイントと教え方について紹介していきます。
短い針が「ちょうど」ではない難しさ
子どもたちが時計を読む上で、短い針が「ちょうど」ではないという点でつまずいていることが多いです。

時計は、短い針が「何時」を指すものですよね?子どもにもまずはそのように伝えます。
「何時ちょうど」の時は短い針が数字をぴったり指しますが、それ以外の場合は「中途半端な場所」を指します。ここが、子どもたちがつまずくポイントです。
例えば2時台であれば、短い針は2と3の間の「中途半端な場所」を指します。そのため、子どもたちは、「2でも3でもないときは何時なの?」と難しさを感じてしまうのです。
そして、特に難しいのが「2時52分」のような50分台です。

「2時52分」の時計の短い針見ると、2よりも3の方に近くなっています。
そのため、子どもたちの感覚では「3時だ」と思ってしまうのです。
学校の授業ではまず、短い針が2と3など間を指す時は、その小さい方の数字を見て「何時」を見るように学習します。
その上で、「長い針が12まで回っていなければ、まだその時間(3時)にはなっていないよ」と、長い針とセットで見ることもポイントとなります。
長い針が、文字盤の数とちがうという難しさ
長い針で表す「分」が、文字盤に書かれた数字とちがうという点も子どもたちがつまずくポイントです。例えば「20分」を「4分」と読んでしまうなどがよくあります。
これは文字盤の数字をそのまま読んでしまうためで、初めて学ぶ段階では当然の反応です。
教科書によっては視覚的に分かりやすくするため、短い針は黒、長い針は赤で示されていることがあります(下の画像)。

このような画像を見ながら、「これは何時?」と反復練習を重ねることが大切です。
学校で使っている教科書を確認し、ご家庭で時計を読むときも「『分』は赤い字の方だよ」などのように色に着目させるような声掛けをしてみると良いかもしれません。
色々な表し方があるという難しさ
算数の授業では主にアナログ時計を扱います。しかし、時計にはアナログだけでなくデジタルのものもあります。
教科書ではデジタル時計も少し登場し、「どちらも同じ時刻である」ことを学びます。

ここでややこしいのが、教室などで使う「タイマー」との違いです。
例えば、「あと3分」とセットしたタイマーの表示と、デジタル時計の「3時」を混同してつまずく子が出てくることがあります。
結論から言うと、「1年生の段階ではあまり深追いしなくて良い」と思います。というのも、これは「時刻」と「時間」の違いを理解する必要があるからです。
「時刻」と「時間」の違いについては、この記事の後半で少し触れますのでお読みいただければと思います。
子どもが「時計」を読めるようになるために親にできること
日常で時計を見る「必然性」をつくる
私は教員として、授業で「時計」を学習してからは、あえてタイマーを使わずに「何時何分までに座ってね」など、時計を見る必然性を作るようにしています。
教育現場では便利なタイマーを使いがちですが、「タイマーを使うことで、子供が時計を見る力を奪っていないか」という視点も大切です。
教師や大人がタイマーばかり使っていると、子どもに時計を見る必然性が生まれません。結果として、時計の読み方の定着も遅くなってしまいます。
ご家庭でもしつこくない範囲で、日常生活の中で「今、何時何分かな?」と問うなど、子どもが時計を読む活動を大切にするのが良いと思います。
まだ学校で学習していない「午前・午後」にも日常的に触れさせておく
1年生の段階では、アナログ時計の読み方を学習します。しかし、「午前・午後」の概念についての学習は2年生で行うため、学校ではまだ学習していません。
ですから、勉強したはずなのに「午前・午後」が分からないからといって心配する必要はありません。

また、24時間表記(午後3時のことを15時と表すなど)は学校の授業内容としては扱っておらず、2年生の「午前・午後」の学習にも出てきません。
しかし、「午前・午後」も「24時間表記」も、日常では当たり前に使われています。
学習内容に含まれていないからといって遠ざけるのではなく、日常的に触れさせておくことは子供の幅を広げることにつながります。
大人が「学校ではまだ習わない範囲だ」という前提を知った上で、日常の中でプラスアルファとして触れさせてあげることが大切です。
日頃から大人が時刻(じこく)と時間(じかん)の違いを意識して言葉を使う
2年生になると「じこくとじかん」という単元で、「時刻(じこく)」と「時間(じかん)」の違いを学習します。
私も含めて大人でもなかなか日頃意識しないですが、子どもと接するときだけは少しだけ意識しておくといいです。
ところで、皆さんは「時刻」と「時間」の違いはわかりますか?

- 時刻:「3時15分」など、特定の瞬間の時
- 時間:「3時15分から20分までの5分間」など、時の幅(範囲) ※だから「間」という漢字を使う。
日常会話では「今の時間は?」と混同して使いがちですが、厳密には違います。
今回子どもたちが学習している「時計」は「時刻(じこく)」を表すものです。
「今の『時刻』は何時何分かな?」などと親が子どもにさりげなく正しい言葉を使ってあげることで、2年生になった時に子供たちの理解がスムーズになります。
生活の中でのさりげないやり取りが、自然と子どもたちの学習の土台となります。

…なんて偉そうに言っていますが、普段は私もあまり使い分けられていませんが(笑)
ただ、ほんの少し意識する(知っている)だけでも違ってくると思います。
さいごに
この記事では、小学1年生が算数で学習する「時計の読み方」について、子どもがつまずくポイントと教え方をお伝えしてきました。
子どもが「時計の読み方」をきちんと身につけるためには、つまずくポイントを大人が理解した上で関わってあげることが大切です。
この記事の内容が、少しでもお子様の理解の助けになったら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
