小学校では、シャープペンシルの使用が禁止されていることが多いです。
この記事では、なぜ多くの小学校でシャープペンシルの使用が禁止されているのか、その理由を解説します。
シャープペンシルが禁止されていることに納得のいかないお子様や保護者の皆さん、また、なんとなく指導しているけれど理由を説明できない教員の皆さんなどに読んでいただきたいです。
そもそもシャープペンシルは禁止するべきなのか?
「折れてもすぐに芯を出せる」「芯をけずらなくていい」など、シャープペンシルには良さがあります。しかし、それでも多くの小学校では児童の皆さんのシャープペンシル使用を禁止しています。
そもそも、シャープペンシル使用を禁止するべきなのでしょうか?
私個人としては、
- 小学校1〜3年は、シャープペンシルを禁止すべき
- 小学校4〜6年は、実態に応じて判断すべき(許可することも検討する)
- 中学生以上は、特にきまりを定めるべきではない
という考えです。これはあくまで私の考え方であり、正解は無いと思います。以下で解説する理由を踏まえて、皆さんも考えてみてください。
シャープペンシルが小学校で禁止されている3つの理由
ここからは実際にシャープペンシルが小学校で禁止されている理由について解説していきます。
筆圧のコントロールを身につけて美しい字を書くため
1つ目の理由は「筆圧のコントロールを身につけて美しい字を書くため」です。
鉛筆は、芯が太くて筆圧をコントロールしやすいという特徴があります。
これに対して、シャープペンシルは芯が細く、筆圧が弱いと文字が薄くなってしまったり、逆に強く書きすぎて芯が折れてしまったりします・このため、シャープペンシルは筆圧を身につけるのには適していません。
小学生のうちに正しい筆圧のコントロールを身につけることが美しい文字を書くために大切であるため、シャープペンシルを小学生のうちから使用すべきではないというのが、考え方の1つです。
授業に集中するため
2つ目の理由は「授業に集中するため」です。
一見すると、シャープペンシルを使うことと授業に集中できないことは、関係のないように思われるかもしれません。しかし、今回のお話はあくまで「小学生」のシャープペンシル使用についてです。実は、結構関係があるのです。
シャープペンシルは鉛筆に比べると芯が折れやすかったり、部品が壊れたりします。授業中に何回も芯が折れたり、壊れたシャープペンを直すのに一生懸命になって、授業に集中できなくなってしまうことが考えられます。
芯が折れてしまうことについては、「いや、鉛筆だって同じではないか?」と思われるかもしれません。しかし、筆圧のコントロールがまだ身についていない小学生(特に低学年)がシャープペンシルを使うと、大人が驚くほど頻繁に芯が折れます。これは、私が以前学習塾で指導していた時に体験して実感していることです。
子どもは、ちょっとしたことでも集中が切れやすいため、芯が折れたり壊れたりすることは、学習に集中できないことに直結します。そのため、授業に集中するためにもシャープペンシルを小学生のうちから使用すべきではないという考え方もあります。
安全のため
3つ目の理由は「安全のため」です。
シャープペンシルの先が鉛筆よりもとがっているため、誤って他の人を傷つけてしまうおそれがあります。
また、芯が細く、折れた芯が飛んでいって目に入ってしまうなども考えられます。2つ目の理由で説明した通り、特に小学生の低学年では、筆圧のコントロールが難しく、シャープペンの芯がたくさん折れてしまうことが考えられるため、危険性は増すでしょう。
このように、安全のためというのが、シャープペンシルを禁止する理由の1つです。
教師側も家庭側も理由を理解した上で行動することが大切
ここまで、シャープペンシルの使用が禁止されている理由について書いてきました。納得する、しないはそれぞれだとは思いますが、教師側も家庭側も理由を理解した上で行動することが大切です。
お互いが理由を含めてルールを理解した上であれば、ルールを柔軟に変えていく議論を進めていくのも良いかもしれません。
はじめにも書きましたが、子供達の実態によっては、私は小学校4年生くらいからシャープペンシルの使用を小学校においても認めて良いのではないかと考えています。実態というのは、ここで述べた理由の3つをクリアする場合ということです。
皆さんは、小学生のシャープペンシル使用についてどう思いますか?ご意見などがあれば、コメントやXへのメッセージなどで教えてください。最後までお読みいただきありがとうございました。