【保護者向け】小学1年算数「くり下がりのある引き算」の教え方

算数・数学

小学1年生が算数でつまずくポイントは引き算の繰り下がりです。この記事では主に小学1年生のお子様を持つ保護者の方に向けて、子供の学習をどのようにサポートしたら良いかについて書いていきます。お子様の宿題のサポートなどにお役立ててきたら役立てていただけたら幸いです。

また、ご家庭で保護者の方が教えることを前提に書いていきますが、小学校の教員の方も確認の意味で見ていただけるとお役に立てるのではないかと思いますので、算数を指導する小学校教員の皆さんにもぜひ読んでいただきたいです。

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繰り下がりのある引き算のやり方は4種類ある

まずは、繰り下がりのある引き算のやり方にはどのようなものがあるのかを確認していきましょう。大人であれば、「やり方」をわざわざ考えなくても「自然に」計算できてしまうと思います。私も、小学一年生を指導するまで考えてもいませんでした。

しかし、1年生にとってはその「自然に」ができません。しっかりと教えてあげる必要があります。どのようなやりかたを、どのように教えるかを考える前に、繰り下がりのある引き算の4つのやり方を紹介します。

ここでは、12ー7の計算を例に説明していきます。

やり方その1:数え上げ

1つ目は「数え上げ」とよばれる方法です。12 − 7の計算であれば、12から1つずつ引いていって、合計7つ減らし、残りを数えるというやり方です。

このやり方は、計算の方法としては最も初歩的なものだといえます。

繰り下がりのない1けたの足し算や引き算を初めて学習する際には、子どもたちはこの「数え上げ」という方法で学びます。たし算、ひき算の意味を捉える上では、重要な段階です。

子どもが指を使って1つずつ数えながら計算している場合には、この「数え上げ」で計算していると考えて良いでしょう。

やり方その2:暗記

2つ目の方法としては、「暗記」が考えられます。

これは12 − 7の計算をするときに、上の「数え上げ」のように数えるのではなく、12 − 7 = 5だという記憶に基づくやり方です。計算に慣れた大人であれば、この方法が1番多いのではないでしょうか?無意識に計算している方は、おそらくこの方法だと思われます。

他の暗記による答えの出し方として代表的なものに「九九」があります。九九は、その場で頭の中でかけ算を計算しているのではなく、答えを暗記しているにすぎません。

計算に慣れてくると、九九だけでなく数の小さいたし算やひき算なども、暗記によって答えていることは珍しくありません。

やり方その3:減減法

3つ目の方法としては「減減法」というものがあります。

まずは、12を10と2に分けてとらえます。

12から7を引く際に、まずは2だけ先に引きます。すると残りは10になります。そして、10から残りの5を引きます。

残った5が求める答えです。

このように、まず2を引いて、それから5を引く。つまり引いて(減法)、さらに引く(減法)ことから、このようなやり方は「減減法」とよばれます。

やり方その4:減加法

4つ目の方法としては「減加法」というものがあります。

まずは、上の減減法と同じで、12を10と2に分けてとらえます。

ここから7を引くやり方が、先程の例とは異なります。

ここでは、まず10から7を引き、その残りの3と2を足した数である5が答えとなります。

このように、まず7を引いて、その答えの3に2を足すやり方、つまり引いて(減法)から足す(加法)ことから、このようなやり方は「減加法」とよばれます。

小学1年生へには繰り下がりのある引き算を「減加法」で教える

小学1年生への指導は減加法が基本

ここまで繰り下がりのある引き算のやり方について4つの方法を紹介してきました。

その中でも、小学1年生へは繰り下がりのある引き算を「減加法」で教えるのが基本です。小学1年生の教科書も、減加法に絞って取り上げている教科書がほとんどです。これはいくつか理由があります。

1つは中のまとまりと言うものが今後の学習の基本になっていくことが考えられます。中は後中にするには、あといくつなどの基本的な活動も設定されています。そのような形から中からある数を引くと言う計算が、子供にとって自然な思考の流れと考えられます。

2つ目の理由としては、様々な計算方法を提示することによって、子供たちの混乱を招く可能性があると言うことです。もちろん必ずこの方法でやらなければいけないと言う事はありませんし、そのように指導するわけでもありません。しかし、繰り下がりのある引き算の習熟が未熟なまま様々な方法を紹介してしまうことによって、子供たちは混乱してしまいます。ですので、教科書ではあえてこの原価法に絞って指導をしていると言うわけです。このことを理解しないで、お子様の学習を教えようとすると、学校で原価法を習ってきたのに、保護者の方からは別な方法を教えられて、子供の中で混乱してしまうと言うことが起こり売ります。学校では、そのような意図を持って、ひとまず原価法のみに絞って指導しているはずですので、家で教えてあげる時もその方法で教えてあげるのがベストだと考えられます。そもそもお子様に教える状況が生まれていると言う事は、繰り下がりのある引き算がまだできていないと言う事かと思います。

その他の方法でも計算できているのであれば、わざわざ減加法に矯正する必要する必要はありません。が、あくまでお子様がわかっていないという状況の中では、減加法のやり方で教えてあげるのが良いでしょう。

ここまでお読みいただきありがとうございました。この記事の内容が少しでも皆さんの役に立てたなら嬉しいです。

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