
毎日の宿題の丸つけが大変…。
小学生の保護者のそんな声をよく耳にします。

子どものためにも、親のためにも、宿題の丸つけは子どもが自分でやるようにするのがオススメです。
宿題の丸つけと直しを子どもが自分ですることで、親の丸つけの負担が減るだけでなく、学習効果を高めることにもなります。
この記事では、学習効果を高める、宿題の丸つけと直しを子どもが自分でやるやり方について書いていきます。
そもそも、学習で大切なことは何か?

そもそも、学習で大切なことは何かを考えてみましょう。
私は、学習で大切なのは、
- 「自分は何を間違えたのか」
- 「どのように違っていたのか」
を学習者自身が考え、理解し、改善することです。
何事も、失敗や上手くいかないことから成長があります。間違うことなしに進歩なしです。
そして、その「間違い」から学ぶ力を身につけるために大切なのが、「丸つけ」と「直し」なのです。
自分で丸つけ直しをするメリット
子どもが自分で丸つけと直しをすることのメリットについて説明します。
間違いに自分で気づく力が身につく

一つ一つの解答に自分で丸をつけると、当然自分の間違いを自分で見つけることになります。
単純に丸をつけること自体には意味はありません。しかし、「自分の間違いに気づく」という学習のスタートラインに自ら立つという意味で重要です。慣れてくると、
- 「この問題は自信なかったんだよなー」
- 「自分はいつもこういうタイプの問題を間違えちゃうな」
など、気づく力が磨かれていきます。
自分が何をどのように間違えたのか考える力が身につく
「直し」では、丸つけで気づいた自分の間違いについて、答えを見て確認することで、「何を」「どのように」間違えたのかを考える力が身につきます。
親や先生が書きこんだ赤ペンをただ眺めるだけとは大違いです。

どこがどのように違うのか、自分自身で能動的に確かめることに価値があります。
「丸つけ」「直し」を継続して習慣づけることで、自ら学ぶ力が身につく

そして、「丸つけ」「直し」を継続して行って習慣づけることで、自ら学ぶ力が身につきます。
親や先生がいなくても、自分で学習を進めることができるようになるのです。
これは、学校だけでなく、様々な場面に応用できる力です。学習を通して、子どもが自立し成長することができれば、それはとても嬉しいことです。
小中連携(中1ギャップ解消)にもつながる
中学校では、問題集などの学習で生徒が自分で答えを確認して「丸つけ」と「直し」をすることはほぼ当たり前だったように思います。
私が中学校教員の立場から気になっていたのは、生徒が入学時点で自分で丸つけと直しをすることに慣れていないという点でした。
(少なくとも私が赴任した)小学校では、丸つけと直しのほとんどを教師が行なっていたのです。

これは小学校ではよくあるパターンだと思いますが、これでは児童が「どこを」「どのように」間違ったのか自分で気づき考える力が身につきません。
そして、多くの子が返されたノートに目も通していないという現状もあります。これでは、教師が費やす時間が無駄になるだけでなく、児童が自ら気づき考える場を奪うことになっています。
中学校からの学びを更に高めていくためにも、小学生から自分で丸つけと直しをして力を高めておくことは、「小中連携」「中1ギャップ解消」にもつながると考えられます。
親の負担軽減
宿題の丸つけを親がやることになっている場合、毎日宿題の丸つけをすることは、保護者にとって大きな負担です。

これは、子どもが自分で丸つけと直しをすることの本来の目的ではありませんが、結果として親の負担減につながります。
「親が楽をするため」ではなく、あくまで子どもの学習効果を高めるためのことが、結果として親の負担軽減にもなると考えると良いでしょう。
子どもが自分で丸つけと直しをするやり方
ここからは具体的なやり方について説明していきます。
親が家庭で子どもに教える場合には、以下の説明を見ながら一緒にやってあげるのが良いでしょう。
はじめのうちは、子どもと一緒に進めて、少しずつ子どもが自分一人でできるようにしていきましょう。

子どもがこれまで、自分で丸つけも直しもやったことがないのなら、しばらくの間はサポートが必要だと思います。
私の経験上、小学校高学年はもちろん、低学年の子どもでもこのやり方を身につけることができます。
慣れるまで丁寧に見てあげれば、あとは自分で進められるようになります。
①自分の力で解く

まずは、自分の力で問題を解きます。
ポイントは、
- わからない問題はとばしてよい
- 途中の式(算数の場合)やメモは消さずに残す
の2点です。
特に、途中の式(算数の場合)やメモは消さずに残すという点は、後に自分の間違いを見つけて直す場面でとても重要です。
②答えを見ながら、赤ペンで◯や✔︎をつける【丸つけ】

次に、答えを見ながら、合っていれば◯、間違っていれば✔︎をつけます。
これが【丸つけ】の部分です。
自分の解答なのか、答えを写したものなのか区別するために、赤ペンなど色のついた鉛筆やペンを使いましょう。
ただ答えを見て確認するだけなので、小学校低学年でも簡単にできます。
③答えを見ながら、正しい答えを書き写す【直し】
次は、【直し】です。
②で✔をつけた問題について、答えを見ながら、正しい答えを書き写していきましょう。
鉛筆で書いた自分のメモや解答と区別できるように、赤ペンなどを使うとよいです。
ここでのポイントは、答えを見ながら、どこがどう違っているのか途中式を正しく書きかえることです。
ここが学習で最も大切な部分であり、慣れるまでは特にサポートが必要なところです。

- ここは「+」なのに「-」にしちゃったから間違えた
- 式は合っていたのに、くり上がりを忘れる計算ミスをしちゃった
など、間違えた場所に自分で気づけるように声掛けをしてあげましょう。また、この時に途中式や計算のメモ等を残しておく重要性に気づくチャンスでもあります。
大切なのは、「間違えることは悪いことではない」ということを子ども自身が感じられるようにすることです。
「答えが合っていたから褒める」「間違っていたから励ます」ではなく、間違えた部分に気づき、そこを改善できた(またはしようとしている)ことを褒めてあげましょう。
④間違った理由や次に生かせそうなことをメモで残す
これは少し難易度が高いので、難しければやらなくてもよいです。私の経験上、5、6年生向けです。
難しければやらなくてもよいですが、やればかなり力がつきます。
具体例としては、
- こういうタイプの問題でいつも小数点が1つずれてる。たくさん練習しなきゃ。
- いつも割合の式を立てるときに数字が逆になってしまう。明日友達にコツを聞いてみようかな。
などです。自分のためのメモですので、自分の言葉で書くことが大切です。これができれば、自ら考える学習姿勢を日常的にかなり伸ばすことができると思います。
毎回書く必要はないので、「気づき」があったときに記入する習慣をつけるのがいいでしょう。
余裕があればこの場面で保護者がノートを見て、「ここはこうもしれないね」と記入してあげるのもいいかもしれません。
答えを写してしまうことへの対応
自分で「丸つけ直し」をするために答えを子どもに渡すと、

子どもが自分の力でやらずに答えを写してしまうのではないか
という心配の声を耳にすることがあります。

たしかに、答えを写してしまう子にとっては無意味な学習を続けることになってしまいます。
子どもが答えをただ写してしまう場合には、以下のような対策を考えましょう。
- 親が答えを預かっておき、丸つけのときだけ子どもに渡す
- 答えは預からずに、細かく様子を見る
- 保護者のいるところで学習させてズルをやりにくくする
などの対応を考えましょう。
それでもダメな場合には、親が丸つけすることも検討します。
私個人としては、基本的には親が丸つけすることに反対です。しかし、状況次第では親がやるのがよいケースもあると思っています。
ただし、親が丸つけする場合にはそのメリットをよく考えて行うことが重要です。それについては以下の記事に詳しく書いていますのでお読みください。
最後に(まとめ)
今後、この指導方法に共感する方が増え、子どもが自分で「丸つけ」「直し」をすることが広まっていくといいなと思っています。
この記事をご覧いただいた保護者の皆様にぜひ実践していただきたいです。
やってみると「意外とできる!」と感じてくれる方が多いですので、お子さまと一緒にまずはチャレンジしてみてください。
今後も、子どもたちが自分で考える力を育むためのよりよい方法を模索し、改善し続けていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。


