子どもの自主性や主体性を高めることが重要視されている中、「自主学習」を行う学校が増えてきています。しかし、子どもに好き勝手にやらせているだけでは意味がありません。
そこでこの記事では主に教員の方に向けて、算数・数学を中心に、進め方と指導法について解説していきます。また、教員の皆さんだけでなく、子どもに自主的に学習させたい保護者の皆さんにも役立つと思いますので、是非お読みください。
自主学習の目的は「自己調整力」をつけること
そもそも、自主学習の目的は何でしょうか?

自主学習の指導に当たって、まずは「何のためにやるのか?」という目的を確認することが重要です。
私は、自主学習の目的は「自己調整力をつけること」だと考えています。
学習内容を自分で決め、自分でやり、自分で調整しながら、自分をレベルアップさせていく力は、「自己調整力」といわれます。現代において必要とされる力だといえます。
自主学習を適切に行うことができれば、子どもの「自己調整力」を高めることができます。
指示されたことだけをやる受け身の学習では身につきません。
自主学習の流れはPDCA(計画・実行・確認・改善)
子どもが自主学習を行う流れを確認しておきましょう。
私は、計画→実行→確認→改善という流れで行うよう指導しています。いわゆるPDCAサイクルです。
このPDCAサイクル(計画Plan→実行Do→確認Check→改善Action)の流れは、ビジネスなど様々な場面で重要とされています。自主学習を通して、このPDCAサイクルを身につけることが「自己調整力」を高めることにつながります。
自分でやることを決める(計画)
まずは計画(Plan)です。
ここで大切なのは「自分でやることを決める」ということです。

与えられたものだけをこなすのでは自主的な活動にはなりません。
これまで受け身的な学習しか経験していない子どもにとっては、難しいことかもしれませんが繰り返すことで慣れていきます。
この計画の段階からすでに自主学習は始まっているのです。
「何をやればいいのか?」を自分で決められずに困ってしまう子への対応については、後ほど触れます。
実際にやる(実行)
次は、実行(Do)です。
計画したことを実際にやっていきます。

事前に決めた計画通りに進まなくてもよしとします。
むしろ、計画通りに進むことはまれです。実際に、計画通りにいかないということを経験し、次のサイクルにつなげていけるという様にプラスにとらえましょう。
この場面で大切にしたいのは、問題演習の丸つけと直しまですべて自分でやるということです。やり方については以下の記事をお読みください。
振り返りを書く
学習後には振り返りを記入するようにしましょう。
これは、PDCAサイクルでいうと確認(Check)と改善(Action)に当たる部分です。

自分の学びを見つめ直し、次回の学習につなげていく上で非常に重要です。
指導上のポイント
ここからは指導上のポイントについて説明していきます。
まずは豊富な具体例から選ばせる
先程、簡単に「やることを決める」と説明しましたが、子どもにはそれが難しいです。そもそも、そこが、自主学習の指導で1番大切なのかもしれません。
細かい説明よりも、具体例を豊富に出し、まずはそこから選んで取り組むようにさせるとよいでしょう。これは、細かく説明することを諦めるということではなく、子どもたち自身がたくさんの学習方法を試し、学習スタイルの引き出しを増やすこと重要視した結果です。
以下に、実際に私が子どもたちに示している具体例を紹介します。一覧表などにして配付したり教室掲示したりするのがオススメです。
問題演習
教科書の問題や、自分で用意した問題集などを進める学習です。
復習
その日の授業でやってわかったことや、わからないところなどをノートに整理したり、問題を解いたりする学習です。
- 都道府県の学習をしたけれど漢字がわからないからすべて漢字で書いてみる
- 授業で学習した内容について、ドリルなどで問題に取り組んでみる
- 学習内容について自分なりに解釈し直して自分の意見も書き加えてノートづくりをする
などが挙げられます。
予習
まだ授業でやっていないことを教科書でやる学習です。
eboardというサイトも紹介してあげると良いです。小中学校の各教科各単元について、初めて学習する人に向けた動画を視聴することができます。
テスト直し
テストは、単元全体の学習内容を網羅しているため、単元の学習全体復習をすることができます。間違えた所を確認したり、関係するべつの問題をさがして解いたりすることで力を高めることができます。
読書
基本的には国語ですが、歴史上の人物について書かれた本なら社会科など、読む本によって様々な教科の学習になります。
読書を自主学習としてあえて位置付けることで、その本から何を学ぶのかという意識づけにもなります。
活動場面を丁寧に見て助言する
自主学習と名がつくが故に、全て自主的にやらせようというのは間違いです。

特に小学生は、ここまで説明したことを丁寧に説明してもすぐにはやり方が身につきません。活動場面を丁寧に見て助言することが大切です。
はじめに丁寧に見て助言して軌道修正しながら進めることにより、変な学習習慣が癖にならず、後の学習効果を高めることにもつながります。
「自主」学習なのだから介入すべきでないという意見もあるのかもしれませんが、それは一定の学習習慣が身についているから成り立つものです。はじめは丁寧な指導が必要でしょう。
「丸つけ」「直し」まで自分でやるよう指導する
問題集などに取り組んだ場合には、「丸つけ」「直し」まで自分でやるよう指導しましょう。
これは、自分の間違いに自分で気づき、どこが違うのかを自分で考えるために必要です。まさに、「自主学習」で身につけさせたい大切な力です。
逆にいえば、「丸つけ」「直し」まで自分でやらなければ、自分が間違えていることにすら気づかず、自分で考える力は身につけません。
「丸つけ」「直し」を子どもが自分でやれるように指導する方法は、以下の記事で説明しています。
最後に
ここまで、自主学習を小中学生に向けて指導する方法について書いてきました。
目的意識の個人差や学習効果については課題も多いかもしれませんが、子どもたちにとって大切な力を身につけさせるための大切な学習です。
私自身も実践と改善を繰り返して改善していきたいと思います。その際にはこのブログ記事で紹介したいと思いますので是非チェックしてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。


