多くの子供達が楽しみにしている夏休み。教員にとっては夏休み中も通常の勤務日であるものの、子どもたちが登校して来ない分心にゆとりが生まれ、お休みも取りやすくなる貴重な期間です。そのため、教員にとっても楽しみにしている期間といえます。
そんな夏休みですが、教員にとっては過ごし方がとても重要です。私が過去に出会ってきた「できる教師」は夏休みの過ごし方が素晴らしく、そんな姿から私は学んできました。
この記事では、教員の皆さんに向けて、私が過去に「できる教師」の方の姿から学んだ、教員が夏休み中にやるべきことについて書いていきます。教員の皆さん以外にも、「学校の先生って夏休み中何してるの?」と気になる方にも読んでいただきたいです。
学校の先生って夏休み中何してるの??
本題に入る前に、この記事をお読みいただいている教員ではない方(あるいは採用されたばかりの教員の方)のために、一般に教員が夏休み中にどのように過ごしているのかを紹介します。
教員は夏休み中も通常勤務
まず前提として、教員は夏休み中も通常勤務であることは知っておいてください。私自身、教員ではない友人などから「教員も休みなの?」などと聞かれることがありますが、そんなことはありません。
夏「休み」なのはあくまで子どもたちであって、教員はそうではないのです。教員は夏休み中も出勤し、
- 保護者との面談
- 校内の安全点検等の環境整備
- 各種研修会への参加
- 職員会議
- 授業研究会
- 事務作業
などを行っています。これをお読みの教員の皆さんにとっては当たり前のことかもしれません。おそらく、ここに書いたこと以外にも様々な業務があります。個人差、地域差はあると思いますが、皆さん大まかにはこのように過ごしているのではないでしょうか。
できる教師の過ごし方から学ぶ!教員が夏休み中にやるべきこと7選
ここからが本題です。私が、過去に出会ってきた「できる教師」から学び、私自身も実践している夏休みの過ごし方について具体的に説明していきます。
夏休み中にやるべきことをリストアップする(タスク管理)

夏休みに入ってまずやるべきことは、夏休み中にやるべきことのリストアップです。いわゆる「タスク管理」です。タスク管理は日々の業務改善のためにもとても大切です。そのことについては以下の記事で詳しく書いていますので、よければお読みください。
休みに入る前にやるべきことをリストアップしておくことは、夏休みを計画的に有意義に過ごすために欠かせません。
リストアップする「やるべきこと」については、この記事をご覧いただき、参考にしてください。
リストアップした仕事をもとに、適切に年休を取得
次に、リストアップした仕事をもとに、適切に年休を取得しましょう。教員の方がやってしまいがちなのは、とりあえず年休にしておいて、来れる時に来るというパターン。結論からいえば、これは絶対にやめるべきです。少なくとも、私が過去に出会ってきた「できる教師」の方々はこのようなことはしません。
日頃なかなか年休を取得できず長期休暇中になんとなくまとめてとりたくなる気持ちは分からなくもないですが…やめましょう。なぜなら、無計画にダラダラと仕事をする癖がついてしまうからです。長期休み中は時間に余裕があるが故に、なんとなく過ごしがちです。しかし、そのような習慣は、自身の業務効率をどんどんと下げていくことにつながるのです。自分のやるべき仕事を把握した上で、計画的に年休を取得しましょう。
変更が生じたときには、休みの届け出を変更すればいいだけの話ですから、これまで習慣がなかった方も、とにかく計画してみましょう。日頃から計画的に業務を行っていく習慣をつけることで、休み明けの業務改善・定時退勤にもつながります。業務改善については以下の記事で書いていますので、もしよければお読みください。
教材研究と授業準備

教材研究と授業準備を最優先しましょう。
教員の仕事は授業がメインです。しかし、忙しい日々の中では教材研究や授業準備に十分な時間を割くことができないことも現実としてあります。夏休み中にしばらく先までの授業準備を済ませておけば、授業の質向上や、休み明けの授業準備の負担が大幅に軽減されます。具体的にやることとしては、
- 単元全体の構想
- 1時間ごとの授業計画
- 授業スライド作成
- ワークシート作成
など、日々行なっている通常の授業準備をできるだけ先の分までやっておくと良いです。私自身、過去に「できる教師」の方から教えていただいて始めたのですが、想像以上に新学期にゆとりをもてるようになるのでかなりおすすめです。
教室等の授業環境の整備
これも授業に関連することですが、教室等の授業環境の整備を行うことも大切な授業づくりの一部です。
汚い環境や整理整頓がなされていない教室では、子どもたちの学習効果が下がります。夏休みという期間を利用して、環境整備を行っておくと良いでしょう。
ただし、あまり多くの時間をかける必要はなく、最低限の掃除と整理整頓がなされていれば十分だと思います。また、物の置き場所を定めたり、皆が過ごしやすい生活環境に教室を整えておくことも重要です。環境が行動に与える影響については、以下の記事でおすすめしている「行動経済学」についての書籍が参考になります。気になる方は以下の記事もお読みください。
行事の打ち合わせと準備
時間のある長期休業のうちに、できるだけ行事などの打ち合わせを済ませておきましょう。行事の打合せで大切にしたいポイントは、
- 何のためにやるのか?(目的)
- いつやるのか?
- どこでやるのか?
- 当日までの具体的スケジュールはどうするか?
- 仕事を職員でどのように分担するのか?
をはっきりさせておくことです。
授業が始まってからは、放課後などの打ち合わせ時間を「勤務時間内」に十分な時間を確保することが難しくなります。ここまで打ち合せが済んでいれば、職員が各自で効率よく準備を進めることができます。
また、早めに打ち合わせできれば、休み中に余裕をもって下見などに行くことも可能です。
研修などの自身のスキルアップ
余裕のある時間を利用して、各自のスキルアップにつなげましょう。
- 研究の一環として教育書を読む
- 授業研究会などに参加する
などでも良いと思います。研修として行うのであれば、勤務時間中にこれらのことを行うことも可能です。こうした点は、教員という仕事の最大のアドバンテージなのではないかと私は思っています。プライベートの時間を犠牲にせずに自分を高めることができるのも長期休暇中ならではなので、教員という仕事の利点を活かさない手はありません。
また、私は日常的にポッドキャストで耳からのインプットを重視しています。ポッドキャストは、通勤中などにながら聴きできるのがおすすめです。

以下の記事では、日頃からポッドキャストを聴いている私が教員の方におすすめしているポッドキャスト番組を紹介していますです。もしよければ聴いてみてください。
しっかり休みをとって心身を休める(リフレッシュ)

ここが最重要といっていいでしょう。しっかり休みをとって心身をリフレッシュさせることは「業務改善」という視点でも大変重要です。夏休み中も通常業務といいつつ、教員の仕事は一般企業などと比べても自由度が高く、休みもとても取りやすいです。
しっかり休んで心身をリフレッシュさせることで、
- 自身の健康を保つ
- 心に余裕のある状態で子どもと接することによる教育効果アップ
- 休み明けの業務効率アップ
などが期待できます。休むことも仕事のうちという意識で、しっかりとリフレッシュしましょう。
あくまで私の経験上ですが「できる教師」の方ほど、しっかりお休みを取っているという印象です。
まとめ
この記事では、私が過去に出会ってきた「できる教師」から学んだ、教員の夏休み中の過ごし方についてご紹介してきました。
まとめると、
- 「授業準備等の業務」
- 「自身のスキルアップ」
- 「リフレッシュ」
の3点を、ご自身に合わせてバランスよくとることが重要であるということです。やるべきことを最低限に抑えて長く休みをとるのも良いですし、出勤日を増やして、授業準備などをどんどんと進めておくのも一つです。自分に合った形を見つけられるといいと思います。
この記事が、少しでも皆さんのお役に立てると嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました。