教員としての仕事は多岐に渡りますが、仕事の中心は「授業」と「学級経営」です。
特に、学級経営については、安定した学級経営ができるかどうかが授業にも影響しますから、とても重要です。しかし、特に小学校では採用直後に担任を任せられるなど、なかなか準備や研修の機会がないことも確かです。そこでこの記事では、
- 初めて担任を持つことになった教員の方
- 教員採用試験に合格し、採用を待つ方
- 安定した学級経営ができずに不安を感じている教員の方
に向けて、安定した学級経営のためにやっておくべきことについて書いていきます。
ちなみに私は、小中どちらの担任もおよそ半分ずつ経験がありますので、小中学校どちらにも対応した内容となっています。
学級経営の方針を固める
担任であるあなた自身が、どのような学級経営の方針なのかをハッキリさせておく事が最も重要です。
- こんなクラスにしたい
- こんな子供を育てたい
というビジョンがなければ、そもそも学級経営は成り立ちません。この部分は、そもそも自分自身がなぜ教員をやっているのか、なぜ目指したのかに直結する部分かと思いますので、じっくり考えを固めていく必要があります。これらの方針は、児童生徒への接し方、指導の仕方の軸となります。
ちなみに参考までに、私の学級経営方針は
自分と人のために、自分で考え行動する力をつける
です。学級という集団の中で、「自分を大切にすること」「相手を大切にすること」そして「自分で考え行動すること」が、子どもを成長させ、それが教師としての役割だと考えているからです。
学級通信を作成する
私は以下の記事で書いたように、学級通信を定期的に出すことには否定的な立場ですが、1学期のスタートで出す学級通信は重要視しています。
学級通信に書く内容は、
- 自己紹介
- 学級経営方針
の2点です。
学級通信1:簡単な自己紹介で、親しみやすい印象に
まずは、簡単な自己紹介で保護者に親しみやすい印象を与えることが大切です。長々と書く必要はありませんし、長すぎると逆効果になる恐れもあります。ポイントとしては、ちょっとした会話の際にネタになるようなことで良いでしょう。例えば、
- プロ野球選手の〇〇と同世代です
- 趣味はアウトドアでよくキャンプに行きます
- 好きな漫画は〇〇です
などです。これらは、親しみやすさと共に、始めのころの子どもたちとの会話のネタにもなりますから、書いておいて損はないでしょう。ただし、あくまでそういった目的のために書くので、「ギャンブル」など人によってはネガティブな印象を持ちかねない趣味を書くことは避けた方がよいと思います。
学級通信2:学級経営方針で担任としてのメッセージを
学級経営の方針を、はっきりと示すことが大切です。私の周りの職員でこれをやっている人はあまり多く無いのですが、これは絶対にやるべきだと思います。
- 担任として、クラスをこうしたいと思っている
- そのために、こんなことをしていきたいと思っている
- だから、保護者の方にもこの点で協力してもらいたい
という方針を、担任、子ども、保護者で共有することが大切です。学級「経営」と名の付く通り、担任は学級という組織の「経営者」なのですから。会社などで、こうしたいという方針を示さない経営者はいないでしょう。それと同じです。
ただし、ここで注意すべきことは、短く伝えるということです。出会って間もない関係が浅い状態で長々熱い話をされても、児童生徒や保護者に、「なんだか、面倒な担任にあたってしまった」などという印象を与えかねません。思いを端的にまとめておくことが大切でしょう。
学級開きでのアイスブレイクの準備
学級をスタートさせることを「学級開き」といいますが、そこでは簡単なアイスブレイクのような活動をオススメします。その理由は、
- 子どもたちの現時点での様子がよくわかる
- 子どもたち同士の人間関係が見えてくる
- 楽しい雰囲気を子どもと共有し、新学期への希望をもたせる
などです。以下は、私が実際に学級開きで小中問わずよくやる「バースデイライン」というアイスブレイクを紹介します。
例:バースデイライン
ルールは簡単です。
- 一言もしゃべらずに、
- お互いの指やジェスチャーのみで自分の誕生日を伝え合い、
- 4月生まれから3月生まれまで順番に、
- 一列で並ぶ
というものです。この活動の様子を見ていると、子どもたちのいろいろな様子が分かります。
- 積極的にリーダーシップをとっていく子
- 困っている子の所にそっと寄って助けてあげる子
- なかなか自分からはアクションを起こせない子
などが、とてもよくわかります。担任であるあなた自身が、クラスの子について知るための一つの機会となるでしょう。
また、小中、学年問わず盛り上がることも「バースデイライン」をおススメする理由の一つです。幅広い学年に使えるので、ネタの一つとして知っておいて損はないと思います。
教師の自己紹介の準備(スライド作成など)
学級通信で行う自己紹介とは別に、子どもたちの前で自己紹介をするための準備もしておくとよいでしょう。
一度準備しておけば、自分のネタとして次に担任する子どもたちにも使えますので、用意しておいて損はないでしょう。また、スライドは凝って作り込む必要はなく、画像中心の簡単なものでよいです。
重要なのは「自己開示」です。初対面でお互いに緊張しているはずなので、まずは担任であるあなた自身からある程度の自己開示をして、少しでも子どもたちが話しかけやすい雰囲気づくりを行うことが大切だと思います。
内容は人それそれでよいと思うのですが、
- 好きな食べ物
- やってきたスポーツ
- 好きな漫画やアニメ
- 休みの過ごし方
など、ありきたりなものが良いと思います。特に「漫画やアニメ」などは子どもたちが知っているようなものを挙げると、とても喜んで聞いてくれます。嘘をつく必要はないですが、子どもたちと共通した話題という点では、会話のきっかけになることも多いのでおススメします。
子どもが自分のことを紹介する「自己紹介カード」を作成する
担任として自己紹介をした後は、子どもたち一人ひとりのことをよく知る機会をつくりたいものです。
私は「自己紹介カード」というものを作成することをおすすめします。これは、子どもが自分のことをクラスの他の人や先生に自己紹介するカードで、
- 名前
- 顔写真やイラスト
- 読んでほしい呼び方
- 好きな食べ物
- 休み時間の過ごし方
- 好きな教科
- 頑張っていること
などを記入するものです。項目にこだわる必要はありませんから、担任として知りたいことがあれは追加するのもよいと思います。小学校の低学年であれば、枠を丁寧につくってあげれば書きやすいと思いますし、高学年や中学生であれば、白紙のプリントや色画用紙のみを渡して自由度高く作るようにするのもよいです。
まとめ
ここまで、初めて担任をするにあたって準備しておくこととして、
- 学級経営の方針を固める
- 学級通信を作成する
- 学級開きでのアイスブレイクの準備
- 教師の自己紹介の準備(スライド作成など)
- 子どもが自分のことを紹介する「自己紹介カード」を作成する
の5点について書いてきました。
皆様のお役に立てたなら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。