学校の夏休み、冬休み、春休みは、教員にとって貴重な時間です。子どもと違って教員にとっては「休み」ではありませんが、仕事面でも自由に使える時間が多く、心にもゆとりが出る期間です。
教員が、そんな学校の長期休み中をどのように過ごすかは、休み明けの業務を考えた上でとても重要です。この記事では教員の方々に向けて、休み明けの業務改善につなげるために長期休業中にやるべきことをお伝えしていきます。
長期休業に入る前にやること
まずは夏休み・冬休み・春休みに入る「前」にやることを確認しておきましょう。
長期休業中にやるべきことをリストアップする(タスク管理)
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まずは、長期休業中にやるべきことをリストアップしましょう。いわゆる「タスク管理」です。タスク管理は日々の業務改善のためにもとても重要であり、そのことについては以下の記事で詳しく記載しています。
![]() | 【教員の働き方改革】明日からすぐにできる個人の取り組み7選 |
休みに入る前にタスク管理を行っておくことは、長期休業中を有意義に過ごすために欠かせない作業です。何をリストアップしたらよいかについては、この後の記事に記載している内容を参考にしてください。
リストアップした仕事をもとに、適切に年休を取得
次に、リストアップした仕事をもとに、適切に年休を取得しましょう。教員がやってしまいがちなのは、とりあえず年休にしておいて、来れる時に来るというパターンです。日頃なかなか年休を取得できず長期休暇中になんとなくまとめてとりたくなるという気持ちは理解できますが、これは止めるべきです。あえて厳しく言えば、自分の仕事の計画性の無さを、堂々と宣言しているようなものだと思うのです。
日頃から計画的に業務を行っていく習慣こそが、休み明けの業務改善・定時退勤へとつながります。
![]() | 教員の働き方改革と業務効率化に!無印手帳と時間割アプリの活用術 |
年休は適切に取得し、年休なのに出勤するということがないようにしましょう。
教員が休み明けの業務改善のために長期休業中にやるべきこと5選(本題)
ここからは、教員が休み明けの業務改善のために長期休業中にやるべきことについて、具体的に書いていきます。
その1:新学期の教材研究と授業準備
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教員の仕事は授業がメインですが、忙しい日々の中では教材研究や授業準備に十分な時間を割くことができないこともあります。長期休業中にしばらく先までの授業準備を済ませておけば、休み明けの負担が大幅に軽減されます。具体的にやることとしては、
- 単元全体の構想
- 1時間ごとの授業計画
- 授業スライド作成
- ワークシート作成
など、日々行なっている通常の授業準備をできるだけ先の分までやっておくと良いです。休み明けの負担軽減だけでなく、授業の質向上にもつながると実感しています。
その2:指導要録や会計業務等の事務作業
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指導要録や会計業務等の事務作業を進めておくということも大切です。時間にゆとりのあるこの時期を利用しない手はないでしょう。特に、指導要録については現状全国の学校で作成が義務付けられている書類です。通知表が廃止されている学校も一部あるようですが、要録は全学校が作成する必要があります。できるところまで進めておけば、後々の業務負担軽減に繋がりますし、年度末締め切りギリギリにやる時に比べてミスも少ないでしょう。
その3:行事の打ち合わせと準備
時間のある長期休業のうちに、できるだけ行事などの打ち合わせを済ませておきましょう。行事の打合せで大切にしたいポイントは、
- 何のためにやるのか(目的)
- いつやるのか
- どこでやるのか
- 当日までの具体的スケジュールはどうするか?
- 職員の分担
をはっきりさせておくことです。
授業が始まってからは、放課後などの打ち合わせ時間を「勤務時間内」に十分な時間を確保することが難しくなります。ここまで打合せが済んでいれば、職員が各自で準備を進めることができます。
また、早めに打ち合わせできれば、休み中に余裕をもって下見などに行くことも可能です。
その4:研修など、スキルアップ
余裕のある時間を利用して、各自のスキルアップにつなげましょう。
- 研究の一環として教育書を読む
- 授業研究会などに参加する
などでも良いと思います。研修として行うのであれば、勤務時間中にこれらのことを行うことも可能です。プライベートの時間を犠牲にせずに自分を高めることができるのも長期休暇中ならではであり、教員という仕事の利点でもあります。
また、私は日常的にポッドキャストで耳からのインプットを重視しています。ポッドキャストは、通勤中などにながら聴きできるのがおすすめです。
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以下は、日頃からポッドキャストを聴いている私が教員の方におすすめしているポッドキャスト番組です。もしよければ聴いてみてください。
その5:心身のリフレッシュ
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心身をリフレッシュさせることは「業務改善」という視点でも大変重要です。心身をリフレッシュさせることで、
- 自身の健康を保つ
- 心に余裕のある状態で子どもと接することによる教育効果アップ
- 仕事の効率アップ
などが期待できます。
休むことも仕事のうち
という意識で、しっかりとリフレッシュしましょう。
その6:(おまけ)論文執筆
おまけとして6つめに紹介しておきたいのが、論文の執筆です。
これまでの実践と自身の教育観を整理する意味で自身のスキルアップに繋がります。
私は日々の研究実践を論文にして発表したことがあります。長期休業中は論文の執筆に最適です。また、これまでの実践を整理する時間を確保することで、教員としてのレベルアップにつながるという点です。自分がこれまで子どもたちに実践したきたことの成果や課題を明らかにして、休み明けからの指導に生かすことができます。
まとめ
ここまで、定時退勤するための長期休業中の過ごし方についてご紹介してきました。大切なのは、
- 「休み明けの業務改善」
- 「自身のスキルアップ」
- 「リフレッシュ」
の3点を、ご自身に合わせてバランスよくとることです。やるべきことを最低限に抑えて長く休みをとるのも良いですし、出勤日を増やして、授業準備などをどんどんと進めておくのも一つです。
いずれにしても、長期休業中に自分がどのように出勤するか、何をするかという点で自由度が大きいのが教員の仕事の良いところです。この記事が、様々な教員の皆様のお役に少しでも立てるなら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。